フラットデザインと騒いでいるのはだれか

アップルが発表したiOS7やマイクロソフトのWindows Phone、Google Playストア、yahooなどで採用されたフラットデザインについて。
フラットデザインって何?という方はこの辺りを参照ください。
http://matome.naver.jp/m/odai/2136893511628923201

フラット化の理由
フラット化の理由は、ある記事にあったような、三次元の再現が不可能だったことや最近のユーザーがデジタルに慣れているためではなく、解像度が上がってきた(1pxが小さくなった)ためです。
これまでも表現品質の高くない媒体やプリントは、非フラットが採用されていました。(上質でない肉を美味しく味わうために濃い味をつける、すき焼きと同じだと思ってます)
大きなpxでは細部まで表現することが出来ないため、書体やバランスで魅せることが出来ずグラデやドロシャでぼかすしかありませんでした。
それがRetinaディスプレイの登場で書体そのものの美しさや約0.1mm単位のバランスも表現出来るようになり、高解像度ディスプレイに向けフラットが採用されてきている、と考える方がしっくりきます。
ついでに、ヴィヴィッドやパステルカラーが好んで使われるのは今のディスプレイでは白と黒に近い階調が潰れてしまうためです。

日本でもフラット化は流行るのか
今のままでは流行らないと考えています。
フラット化のためには微細なバランスが求められるため、プロポーションメトリクスなどの機能を持ったwebフォントの採用は不可欠です。英文フォントはadobe社の努力もあり現実味を帯びていますが、日本語フォントはまだまだ普及するほどのサービスが出ていません。そのためグラデやドロシャに頼らざるを得ない場面は残ります。

フラットデザインと騒いでいるのはだれか
活版印刷が15世紀。産業革命が18世紀。それを今さら『フラットデザイン』と表現することは違和感がありますので、考えてみました。
インターネット上にあるデザインには、プロダクトとコミュニケーションがあります。プロダクトの目的は『使いやすい』で、コミュニケーションの目的は『伝える』になるのですが、どう表現すれば使いやすいかと、どう表現すれば伝わるかでは全く異なります。
フラット化したiOS7やWindows Phoneで表示した時に『使いやすい』『伝わりやすい』ためにどうするかを個別具体的に考えていくのがデザイン作業でして、一律でどうのこうのという話ではないのです。
どうもこの目的を置き去りにして、デザインの議論をしてしまっている方が多い気がしています。
目的のないデザインの評価は、その人が単に好きか嫌いか、以上のものではありません。おそらく非当事者の方が自分の好きなデザインの話をされているのでしょうが、こうした議論を目にして誤解される顧客に「そうでは無くて、ですね…」とその都度説明しなくてはいけないことを想像すると、ため息がでるこの頃です。

お仕事の依頼はこちら。
企画デザイン事務所ヴェリカ