話題のクールジャパンについて

クールジャパン推進会議で、民間議員の秋元康さんの発言が物議を醸していることについて。
私もクリエイティブの人間なので、一言。

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013040300865

秋元康氏は「日本中の優秀なクリエーターにひと肌脱いでもらうべきだ」と指摘。アニメや芸術の関係者に、ポスターやキャッチコピーづくりに無報酬での協力を求めるよう提案した。

この記事に対し、対価を払わないのはクリエイターの軽視だなどと批判が集まっているようです。
ちなみに、以前に天王寺区が無報酬でデザイナーを募集した時とほぼ同じです。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1302/07/news103.html
天王寺区は批判を受け謝罪し、無報酬デザイナーをアマチュア中心のボランティア募集に変更しました。

私が気になっているのは、無報酬ではなく、むしろ募集の方なのですが、
日頃から良いものを作るには作り手の努力だけではどうにもならないことを実感しています。
クライアントからの丁寧な説明や情報提供があり、
予算を確保してくれる方がいて、
スケジュールをとってもらい、
関係各所に確認をとってもらい、
チームの関係づくりに努力したり、
各自が責任を背負って動いて、
良い物って出来上がります。

それを多数から募集するとなると、
顔を合わせてじっくり説明を聞くことも、
質問をすることも出来ないので、
わけもわからないママ、思いつきで提案するしかないんですよ。
広報に力を入れている企業の情報でしたら集められますが、
クールジャパンは情報が少ないですし、
ライバルとなる他国の情報なんて、集めきれますか?

出来上がって批判が多かった時に、クリエイターに責任を押しつけたい、
発注側の責任回避とも受けとれてしまいます。

国家プロジェクトですから、
ちゃんと予算を確保して、
広告代理店なり制作会社なりを決めて、
じっくり向かいあって、
日本文化に恥じない良質なクリエイティブを作って欲しいと願っています。