
はじめて本を書いたら結構苦労したという話
2015年5月23日発売のスライドデザインの心理学という本を書きました。
スライドデザインの心理学 一発で決まるプレゼン資料の作り方
あとがきにも書きましたが、私は本がとても好きです。もう十数年間、年間100冊以上を読み続けています。そのため、本を出すことは目標でした。だから出版が決まった時は大喜びしたのですが、いざ書いてみると、もう大変。。。
もうどうでもいいや!と投げ出したくなるほど大変でした。
せっかくなので、そんな苦労話をまとめておきます。
1.企画書に苦戦
本を出すことになったきっかけは編集者さんからお誘いをいただいたことでした。「本を出しませんか」と連絡をもらったのですが、ずっと本を出したかったものですから、すでに企画書は準備していましたw。それで、それを初顔合わせの時に見せて、大筋いいね!という話しになったのですが、、その後の出版社の会議に通らない。修正と追加をして再提出しても通らない。ですので、企画を練り直し、揉んで、叩いて、と。企画が通るころにはh、初顔合わせから4ヶ月ほど経過していました。。
2.ネタ探しに苦戦
企画書の段階で、大まかな目次は決めていたので、ネタ探しは簡単に済むだろうと腹をくくっていたら、甘かったです。たくさんの量を書けるだろうと思っていたネタが数行で終わってしまったり、まったくネタにならなかったり。
しかも、最初に提出した企画書は確実に書ける自信があるものだったのですが、企画書の再提出をしているうちに、会議を通過するための企画的なニュアンスも入ってしまったので、執筆は大変でした。
3.スケジュール管理に苦戦
本業として、コミュニケーションツールを作っています。そのため、執筆ははじめてでしたが、イメージはしやすかったです。そのせいで、失敗しました。細かく自分でスケジュールを作って進行したのですが、自分の当初のイメージの約2.5倍の作業量でした。書き出すと、「これも説明しなきゃわからないな」とか「これは前章で説明したっけ?」などと、想定外の作業がどんどん増えていきます。全てを説明するってこんなに大変なことなのかと気付かされました。これから本を書く人はスケジュールを多めに確保してください。ホント大変です。
4.執筆ツールに苦戦
本の執筆なので、文字数やページ数を考えなければいけません。また私の本はデザインの解説が多くありますから、図版も作らなくてはいけません。そうすると、普段使っているツールではスムーズにいかず、試行錯誤しました。結果はWindowsとMacの2台を準備して、Macのpagesで執筆しながら、WindowsのPowerPointで図版づくりをしました。PowerPointはWindows版の方が遥かに使いやすいのですが、その他のデザインツールはMacの方が使いやすいので、結果このような形になりました。今後も、複雑な業務をこなすにはパソコン2台使ってやろうと思います。
5.図版に苦戦
これはデザインの解説本だけかもしれませんが、図版に時間がかかりました。私はデザイン畑ですから、やはりここはビシッとかっこいいデザインで埋め尽くして、「さすが!」といわせる本にしたかったわけです。しかし通常の業務のようにデザインをしてしまっては、1図版に数日かかってしまったりするんですね。それではとてもじゃないけれど、執筆なんて終わりません。ですので、最初は図版を減らして文章で埋めようかと考えました。しかし、デザインの解説なら、図版が多い方がわかりやすいなと、思い直して、なるべくたくさんの図版をつくるように努めました。作業しながら、こんなのデザインじゃない!とかこんなの出したくないなんて思いも沸きましたが、完成した本をみてみると、余計なこだわりがない分、読者にとってわかりやすい物になったな、と感じています。本業と同じく、余計なこだわりや執着は捨てたほうが、いいものが出来るのかもしれません。
6.脳みそが腹ペコ
執筆を進めていると文章量が足りなかった時などに、頭をひねってネタを絞りださなくてはいけません。そのため執筆が終わると、脳みそが空腹状態に突入します。outputばかりしていたせいか、imput欲が爆発していました。他の仕事も溜まっていましたが、電車やランチなどの空き時間を見つけては本を読み、とりあえず10冊読んだところで落ち着きました。
7.休日に何をしていいのかわからない
企画が通ってから、休日はほとんど本に時間を当ててきました。そのため、休日に何をしていいのかわからない日が続きます。とりあえず、酒を飲み歩いています。
8.次も書きたい
ひと段落すると、時間ができる度に、次はこれを書きたい、あれも書きたい。と次の企画のことが頭に浮かんでしまいます。自分の能力不足で上手くまとめられなかったり、別の切り口からまとめたらもっと面白い気がしてきたり。もう少し深めた内容も書きたかったり。気がつくと次のことで頭がいっぱいです。まだオファーはありませんけども。
次は発売後、本を出したらこんな良いことがあった、というような内容を書こうと思いますが、いつまでもそんな内容の投稿がなかったら、、、本を出してもなにも良いことがなかったんだと思ってください。
ではでは。